• 公開日:2018年04月29日
  • 最終更新日:2018年05月01日
年上で優しい!ゴルフを教えてくれたあの人

私が25歳の時に、ゴルフの練習場で働いていたときの体験です。
ゴルフの練習場に来るお客さんは圧倒的におじさんが多く、出会いの場にはならない、と思いながら働いていました。
何人かの人にはナンパされたり、下ネタでからかわれたりしましたが、プライベートで仲がいいお客さんは少なく、おじいさんに近い年齢の、枯れたおじさんばかりでした。
そんな中で、夜に仲間と来ていた若い一人の常連さんと知り合いました。
彼は電気屋さんで、年齢は36歳でした。バツイチで子供もいるということは噂で知りましたし、どことなくチャラチャラしていて最初は苦手でした。
彼は、私に会うなり、初対面で「美人だね!俺と付き合って」と言ってきました。
その後も、私が練習していると声をかけてきたり、教えてくれたりしてきました。普通なら馴れ馴れしさに引いてしまうところですが、その人はどこか愛嬌があり、友達も多くて、心を開いても大丈夫そうな雰囲気でした。
それに、ゴルフを教えるのが上手で、的確なアドバイスができるし、ワクワクするような練習法を教えてくれるので、だんだん尊敬するようになりました。
たまに手に触れたりスキンシップをしたりしても、嫌な感じはなく、相性がいいのかも、と思う頃には恋に落ちていたんだと思います。
最初のうちは、恋心を隠そうとしました。
お客さんですし、もし何かあったらあとあと面倒だからです。
なるべくその人がいるときは受付を替わってもらって奥で仕事したり、そっけない態度をとったりしました。
ですが、その男性もめげずに、会うたびに嬉しそうに声をかけてきました。
ある日、「一緒にゴルフ、まわらない?」と聞かれて、断ろうとしたときに、彼と目が合いました。
いつもヘラヘラ笑っているのに、目が真剣で、引き締まった表情をしていて、私はついOKしてしまいました。
仲間と一緒だから、と言われたのでそれを信じたのも理由の一つです。
ですが、当日、「仲間」は来ませんでした。やられた、と思いつつ、「こうなったら楽しもう」と決めて、2人きりでまわりました。彼は、ゴルフしているときは口数が少なく、態度は優しいのですが、ルールに対しては厳しいので、普段のチャラさとのギャップを感じました。
そこそこ上手だったので、ほめてあげると、照れて笑うのですが、その照れ笑いがかわいくて、ますます好きになりました。
そのときに、彼に、私に対して本気だということを告白されました。
それも、ゴルフが終わってからではなくランチタイムです。
私は、「お客さんとは恋愛はしたくない」と答えて、その後のゴルフがきまずくなることを覚悟しましたが、そうはなりませんでした。
彼は、変わらずに楽しげで、ゴルフに熱中していて、私にも自然に話しかけてくれました。年上の包容力を感じました。
その日帰ってから、同じ練習場の仕事仲間に連絡し、相談に乗ってもらいました。私が、好きになってしまったことを話すと、30歳のバツイチ女性で毒舌な仕事仲間は、「知ってたけど。たぶんあいつ(私が好きな彼)も知ってるけど。」とクールに答えました。
私は、彼が私の気持ちを知っていて、それについて何も言わなかったことに驚きました。
電話しながら体が熱くなり、変な汗が出てきたのを覚えています。
後日、彼がまた練習場で話しかけてきたときに、その場に誰もいなかったので「私も好きかも。」と告白しました。
「じゃあ、付き合お。」と言われて、その日の夜にドライブデートしました。
ちょうど桜の季節だったので、夜桜を2人で見て、寄り添うとぬくもりが心地よく、自然とキスしていました。
それがファーストキスではなかったのですが、キスして触れた唇から全身に快感が伝わり、「ホントに好きだったんだな、私。」と確信しました。
そして、お互いの恋愛観や離婚した時のことについて話し、初デートなのに、まるで婚約するような深い話までしました。
彼と恋人だった時間は、ふかふかした毛布にくるまれているように安心感があって、一緒にいると自然と眠くなるほどでした。
彼は、仕事にも熱心で、意外と不器用で、子供にも好かれて、そんな一面を発見するうちにどんどん好きになりました。
そんなある日、彼が両親に偶然会う出来事がありました。
私たちがデート中に、私の両親と鉢合わせしてしまったのです。
両親は彼のことを気に入ったようで、今度家に呼ぶように言ってきました。
彼とホテルに泊まることもあったので、きっと心配していたんだと思います。
両親と会ってから、彼は少し沈んだ雰囲気で、無口になりました。
そして、日が落ちたころにおもむろに、私に「実はおれ、借金があったんだ。」と切り出しました。
私は、突然の彼の告白に驚きを隠せませんでした。
なんて言ったらいいか分からず沈黙していると、彼がさらに衝撃の一言を。「自己破産、してるんだ。」私はショックのあまり、怒るのも忘れて呆然と彼の言い訳を聞いていました。
借金は、私が一番嫌いなもので、自己破産しているなんてとんでもないことです。
私は、そのことについて悩み続け、結局、そのあと半年でお別れしました。
年齢を考えても、遊びでは付き合えません。
彼は泣いてすがってきて、私も泣きましたが、どうしても許せないことでした。
ですが、彼は私の人生の中で一番優しくて、一番私と似ている部分が多く、今でも「彼と結婚していたら幸せだったかも。」と回想することがあります。
彼は、私と別れてから一年で別の女性と付き合い始め、そのあと、その人と結婚したようです。今も幸せでいてほしい、と心から思っています。

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